こんにちは。今回はグローインペインの痛みをやわらげるエクササイズを紹介していきます。
グローインペインについて皆さんどこまで理解しているでしょうか?
(こちらグローインペインについてのメインページ)
グローインペインは鼠径部痛症候群と呼ばれる症状です。サッカーや陸上をしている選手におこりがちで、症状が酷くなると走ったりボールを蹴ろうとしたりすると痛みが出てしまいます。
しかしグローインペインは症状の程度にもよりますが、適切なケアやエクササイズを行えばそれなりに症状は緩和します
今回はそんなグローインペインに対するエクササイズを紹介します。
股関節伸展のエクササイズ
臀筋の出力を高める
グローインペインになると足を後ろに引く動作(股関節伸展動作)で痛みを感じることが増えます。そのときに鼠径部や股関節前面に硬さや張り感を訴える選手が多く、そこを緩めると楽になると考えている選手やトレーナーがたくさんいる印象です。
もちろんそのような方法で楽になるのであればそれはそれで問題はありませんが、私の経験や肌感として他にも大切なアプローチが存在します。
そのアプローチが臀筋の出力を高めるということです。
股関節の伸展動作をメインで行う部位は臀部の筋肉です。ここの出力に異常がありその結果として痛みが股関節の前面に出ていると考えると、そもそもの出力をしっかりと行えるようにしたら症状は緩和していきます。そのために臀部に鍼を打ったり、簡単な出力のエクササイズを行います。
方法としては片足のデッドリフトや、アブダクション、ヒップリフトなどです。この動作を行い、臀筋の主力が上がった状態で、ボールを蹴ったりダッシュをしてみて痛みの変化をまずは確認していみましょう。
ハムストリングスの緊張を緩和する
また股関節伸展を行うときに大切なのは、ハムストリングスがしっかりと収縮するかどうか?ということです。
これはやってみたらわかりますが、膝を曲げている状態と伸びている状態で股関節を伸展させようとすると、膝が曲がっている状態のほうが股関節は伸展します。
しかしハムストリングスが緊張していてうまく伸縮できない状態になってしまうと股関節の可動域は一気に狭くなってしまいます。
また痛みが出ていない方のハムストリングスも重要になってきます。痛みが出ていない方(支持側)のハムストリングスが緊張している状態だと、片足立ちになったときにバランスを崩してしまうことがあります。
その状態で蹴ったり足を引いたりすると無駄な力が入り、余計に痛みを感じてしまう可能性も出てきます。グローインペインで悩んでいる方は、左右どちらもハムストリングスをまずはストレッチからでいいのでケアするようにしましょう。
体幹強化のエクササイズ
腹筋群の強化
体幹部の安定はグローインペインにおいてとても重要なポイントになってきます。体幹部が不安定なまま、急な動作や大きな動作を行うとバランスを崩してしまいます。
その状態で股関節という大きな荷重関節を動かそうとすると、その周囲の筋肉が力んでしまい、そこから痛みを生んでしまいます。
特に体幹部を強化するうえでポイントになるのが腹筋群です。腹直筋は胸骨から恥骨まで付着する長い筋肉で、上半身と骨盤をつなげるとても重要な役割を担っています。腹筋群の強化方法としてよくプランクが上げられますが、私はプランクを指導することはほとんどありません。
それよりも、ゴムチューブやメディシンボールを使ったエクササイズを腹筋群を動かしながら強化するように指導を行っています。
体幹部の安定感が出てくると、走るときやボールを蹴るときに無駄な力が抜けて、無理なく身体を動かせるようになってきます。それだけでも痛みに変化が出る選手もいるのでぜひ試してください。
肩甲骨周囲の安定の強化
体幹部強化のためにもうひとつ重要な部位が、肩甲骨周囲です。肩甲骨を思ったように動かすことのできる選手は、走るときもボールを蹴るときも高くジャンプをするときも、上半身と下半身をうまく連動させることができます。
言い換えると、そこをうまくできない選手は身体の使い方が下手なことが多いです。
そうなると股関節を動かすときに、その周囲の筋肉だけを使って動かすことになってしまいます。それに対して身体の使い方が上手い選手は全身をしっかりと使って股関節を動かすことになるので、股関節周囲の筋肉の負担を軽減することができます。
特に肩甲骨の内転や下制の動作は股関節の伸展とも関係する動きです。これらの動きをスムーズに行えるようになることで、脊柱の動きも変わり、結果的に股関節にも関係してきます。
具体的なエクササイズとしては、懸垂やラットプルダウンといった種目をやるようにしましょう。
もし現在グローインペインで困っているようであれば、ぜひ肩甲骨の安定性を高めてください。
いかがだったでしょうか?今回はグローインペインの痛みをやわらげるエクササイズといった内容でお伝えしてきました。
グローインペインは鼠径部痛症候群と呼ばれるように鼠径部にでる痛みです。なので「どうしたら鼠径部をゆるめられるか?」「どうしたら硬さが取れるか?」といった発想になりがちです。
しかし大切なのはどうしたらそこの負担を軽減させて痛みを出にくくさせられるか?ということです。そのためにはアイディアが大切で、そこからエクササイズやケアの方法が生まれてきます。
もしグローインペインで困っているようであれば、ぜひご来院ください。